母が進行性核上性麻痺(仮)→大脳皮質基底核変性症(仮)になった

1960年生まれの母が突然難病を発症してからの記録

他人の手症候群

夢に母が出てきた。一時的に症状がなくなっていた様子で、健康なときと同じようにテキパキと動いて、散らかし放題で足の踏み場もなくなっていた自室を整理していた。私は、「そうか。勝手に掃除したり、物を捨てたり、もう使わないだろうと思ったものを勝手にいろいろ持ち出して悪かったな」と思っていた。

 

他人の手症候群という症状があるらしい。エイリアンハンド症候群を和訳したものだけど、直訳すると奇怪な名称になるなあと思った。

エイリアンハンド症候群 - Wikipedia

 

母は今年、2018年の始め頃には既にこの症状が出始めていた。たぶん、発症から1年も経ってない頃。父親や祖父母の報告では、

・車の後部座席に母を乗せて走っている時に、いきなり身を乗り出してサイドブレーキを引こうとする(これによって、母を車に乗せるときには、運転者の他に母の介助要員が必要になった)

・同じく、車の後部座席に母を乗せて走っている時に、いきなりドアを開けようとする(これによって、一同は後部座席にチャイルドロックを付けるなどの対応を迫られた)

・母に対して、何か日常的な介助をしようとすると、母は手でそれを妨げるような行動を取る

・居間で座っていたのに、突然立ち上がって家から走り出て、車の行き交う通りに飛び出す(祖父母の報告による。事故にならなくて本当によかった…)

・母が誰かと横並びで座っている時、その人の手をぎゅっと握っているが、その力が段々強くなってきて、「痛い!」といっても離してくれない

父親:「いてえいてえ!!いてえってこと!!!!!」というのが一日に何度も繰り返された

・さらに最近、私が直接対応していて困ったこと。口からとめどなく流れ続けるよだれを母は自分で拭こうと、

ティッシュを取りだす→よだれを拭く→ゴミ箱に入れる

の動作をしているうちに、段々と

ティッシュを取りだす→そのままゴミ箱に入れる

になっていく

 

母がまだ意思疎通できるうちに本人から聞き出したところによると、自分の意思に反して、手や体が勝手に動いてしまうらしい。そして、自分ではそれをコントロールすることができないらしい

 

ティッシュの流れでは

母がティッシュを取りだす→そのままゴミ箱に入れる→私がそれを拾い上げティッシュ箱に戻す→母がそれをまた取り出しゴミ箱に入れる→私がそれを拾い上げティッシュ箱に戻す→

が繰り返され、その速度がだんだん早くなっていって最後には凄まじい早さで攻防が繰り返されていた

始めのうちは、その熾烈な攻防を繰り返しながら段々バカバカしくなってきて私と母が二人で笑ったりしていたけれど、最近は笑うこともできなくなってしまったっぽい。(心の中では笑っている可能性はあり)

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