母が進行性核上性麻痺(仮)→大脳皮質基底核変性症(仮)になった

1960年生まれの母が突然難病を発症してからの記録

腎盂腎炎と導尿

導尿

という医療行為?があることを今回初めて知った。こんなことでもなかったら一生知る機会はなかったかもしれない。

 

専用のチューブを尿道に入れて、膀胱のあるあたりのお腹を押すと、チューブを通って尿が出てくる。出てきた尿は、専用のボトルに溜めて、色や濁り、量を見る。

このチューブが(私の第一印象では)結構太い。人間の尿道って、思ったより太くできてるんだなと思った。

 

訪問看護の看護師さんがこれを毎日やってくれているんだけど、そもそも、これをする必要が出てきたのは、母が微妙な発熱をずっと繰り返していたから。

 

 

健康体のときの母の平熱は、36度台前半~半ば

現在のような状態になってからは、(看護師さん曰く、健常者の人のようにうまく熱が発散できない、かつ、手足の硬縮があるから熱がこもりやすいため)、平熱が以前よりも高くなっていた。36度台後半~37度台半ばくらい。

だから、健常者と同じような服装をしていると、熱いのか、汗をかきやすくなったみたいで、薄着を心掛けている(今更知って対応した家族)。

 

 

しかし、それにしても、高めの熱が続くねということがデイサービスで注視されるようになり(37度台半ば~38度台になることも)、かかりつけの医師に診てもらった結果、自力で排尿する機能が落ちているため、膀胱にいつまでも尿が溜まりやすくなって、雑菌が繁殖してしまう。それが悪さをしているんだろうと。それが腎臓に上がって行って腎盂腎炎になっている可能性もある、とのこと。この雑菌は、もし何らかの原因で口から侵入する事態になると、肺に感染して肺炎を引き起こす恐れもあるので、看病をしたり作業をしたりするときはこまめに手を洗うなど、注意が必要とのこと。

 

デイサービスは、基本的に、熱がある場合は利用者にお休みをお願いしていて、その代わり、訪問看護に来てくれるサービスがある(本当にありがたい)。ということで、ここのところ3週間くらい、デイサービスを休んで、自宅待機。医師も定期的に往診に来てくれて、抗生剤を処方してくれる。

 

 

実際に採った尿を見せてもらうと、確かに、色が濁っていたり、下の方に白っぽい沈殿物があるのが分かる(健康な尿は、透き通っている)。しかも、量が多い。100ml~200ml採れることもあって、これだけ膀胱に溜まっている状態だと、仮に今回の腎盂腎炎が完治しても、また同じようなことを繰り返す恐れがあるとのこと。

 

母のベッドは、頭や足の部分を上げて座った状態にもできるものなんだけど、日中祖母や祖父だけで対処しきれないので、平面の状態になっていることがほとんどで、そのこともあって、自力で尿が出せないのかもしれないね、とも看護師さん。

 

 

こういうことがあるたびに、自分は知らず知らずのうちに、どれだけこの体の筋肉や、臓器や、骨や、関節や、etc.にお世話になっているんだろうと思い知らされる。それらがちゃんと機能していることは、当たり前だけど、当たり前ではないんだ。母は、大便を自力で全部出し切ることも難しいみたい(看護師さんによる)だけど、普段健常者は、トイレで意識的に「腹圧をかけるぞ」みたいなことを考えて排泄しているだろうか、いやしていない。

 

看護師さんによると、陰部に発生した雑菌が尿道や膀胱に上がってしまうリスクも、尿道の長さの関係で女性の方が高いらしい。だから、毎日の訪問看護(や、デイサービスに行くときはデイサービスで)石鹸を使って丁寧に陰部洗浄をしてくれているんだ。

 

自力で動けない人間を生かしておくことって、本当にすごいことなんだ。

 

何週間もかけて、抗生物質のおかげか、尿が澄んできて、熱も出なくなってきたので、またデイサービス通いに戻る予定だけれど、尿のことに関しては、また同じことを繰り返すリスクがあるということで、常に尿道にチューブをつないでおいて、尿を袋に溜めて、定期的に捨てる器具を導入した方がいいと勧められている。素人でも取り扱いは簡単で、日に何度も捨てる必要はないものらしい。寝ている姿勢だけではなく、座らせる姿勢や車椅子に座らせることもできるらしい(チューブを引っ張らないように気をつけて移動することと、尿を溜める袋をひっかけておきさえすればいいらしい)。

 

 

今回、熱が続いたことがきっかけで尿が溜まっていること、そこに細菌が発生していることが判明したけれど、もっと前から尿が上手く排泄できない状態が続いていたのかもね、今回のことがきっかけで判明したのは、良かったかもね、とデイサービスや看護師の方々と話している。

 

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