母が進行性核上性麻痺(仮)→大脳皮質基底核変性症(仮)になった

1960年生まれの母が突然難病を発症してからの記録

ばあちゃんもデイサービスに行き始めることに その1

「行き始めることに」と言っても、かなり前から行き始めていて、こちらにはおそらくまだ書いていなかったということなのだけど、

今年の3月頃から、ばあちゃんも、母と同じデイサービスに通い始めた。母が週6日なのに対し、ばあちゃんは週2日。母は要介護5、ばあちゃんは要介護1


そもそも、ばあちゃんの認知症がその時期になって急速に悪化したことが発端だった。

元々、年相応の物忘れはあったけれど、この時期から、何度も何度も同じことを聞き返すようになっていたし、なんといっても、家の中を整理しているつもりで、物を移動させまくり、なくしまくる。そして、けんかっ早くなってしまった

 

・何度も同じことを聞き返す

私が東京から地元に戻ってきたのが2019年の2月、そこからかなり経つのに、

ゆみちゃんはいつ東京に戻るのかね?」と私や家族に頻繁に聞く。こっちに戻ってきたのだから東京へは戻らないと説明しても、しばらく経つとまた同じ質問をするので、説明している祖父や父親が疲れてきてしまった。

 

・いつも飲んでいる薬を管理できない、飲み忘れる

これはありがちな症状だと思う。

それにしても、通院している病院は、ばあちゃんに薬を出し過ぎていた睡眠導入剤に胃薬に、昔問題を起こした副甲状腺関係の薬に、便秘薬2種類に…軽く5種類はあった。(町医者で認知症の診断を受けてからは、認知症の治療薬と精神安定剤もこれに加わった。)さらに、ばあちゃんがそれを管理できていなかった

便秘薬は、投薬の副作用で便秘になった時のために処方してくれてたみたいで、病院は「しつこい便秘のときだけにしてください」と言って処方してたみたいだけど、ばあちゃんがそれを適切に飲めていなかった。毎日のように便秘薬を飲んでは、腹痛を訴えていた。そして、便秘薬のせいで腹痛が発生してるのに、それを体質のせいだと思い込んでいた。「私の親も腹が痛い痛いと言いながら死んでいった」「こういう体質の家系だ」と悲壮感漂うことをいつも言いながら。

 

・ありもしないことを勘違いか思い込み

母をデイサービスに送り出すときの服装や、持たせる着替えについて、ばあちゃんは前から「デイサービスの人に、派手な色の服を着せないように言われた」と繰り返し言っていた。ばあちゃん以外の私含む家族は半信半疑ながらも、「そんなことを本当に言われたとしたら、酷い話だ!」「カラフルな服こそ、母のトレードマークだったのに!」と憤りを感じていたが…
デイサービスの人に確認すると、そんなことは誰も指示していないという。むしろ、派手な色の服を着てきてくれた方が、場も明るくなるし、歓迎とのこと……

 

全部、ばあちゃんの勘違いだった。

いまだにこの勘違いは直っていない。

 

・家のものが勝手に移動される

昔から几帳面で、家の中は整理整頓、よく動き回る性格だったらしいけれど、それが認知症になって悪く働いてしまった。知らない間に、家のものがいろんなところに移動しまくる。印鑑など昔から場所が決まっているものは無事だけど、服など、複数の収納場所があるものがひどい。母の服がばあちゃんのタンスに入っていたり、その逆だったり、二階にある謎の箱の奥深くに古びた服と一緒に収納されていたり…母の服を供給しても、すぐに行方不明になってしまう。本人も、どこにしまったのか分からない。「○○どこにしまった?」と言うと、永遠に探し続ける。几帳面な性格もあって、自分でもストレスを感じているんだと思う。

対応として、絶対になくしてはいけないものは、ばあちゃんも気づかないようなところにしまい込んだり、隠したりしている。

 

・けんかっ早い・落ち込む

発端は、ばあちゃんが昔から習っている(今は引退)お茶と生け花の先生の展覧会があるということで、手伝いに行くということになったこと。じいちゃんは、ばあちゃんがこのような状態なので「体調悪くなってもよくないし、ちょっと考えたらどうだ」と言ったのだけど、それを悪く取ってしまった。「おじいさんは月一回友達を家に呼んで食事しているくせに、私には外に遊びに行くなと言う!」「お前みたいな年寄りは行くなと言う!」と言って、何かにつけてそれを持ち出して怒り狂う。「じいちゃんは本当は心配しているんだよ」と言ってその場はなだめても、じいちゃん自ら「それなら行ってくればいい」と言ってなだめても、あまり受け付けない。

また別の日にその件を思い出して、怒り始める。

全然関係ない話をしていても、脈絡なくその話を自分で持ち出してきては、怒り始める。

 

焦ったのは、怒ったばあちゃんが包丁を持ち出して「私はもう死ぬ!」と言ってじいちゃんを脅し始めた日があったこと。それもお茶とお花の展覧会の話が発端だった。

私が家に帰って作業をしていると、じいちゃんから電話がかかってきて、「おばあさんが包丁持ち出してるから、来てくれんか」という。ぶったまげた。

予想外に長くなってしまったのでその2に続きます。

 

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